HOME > 2022年 > 11月 > 2日 > ワールドカップ2022大会最終成績・監督総括

2022.11.02

ワールドカップ2022大会最終成績・監督総括

大会名称:WAFF WORLD CUP 2022 TURKEY
大会日程:2022年9月30日 – 10月9日
開催国:トルコ共和国イスタンブール
<試合結果>
【グループ ステージ】
◆日本 3 対 0 ドイツ
得点者:金子慶也(2)、近藤碧
◆日本 3 対 1 コロンビア
得点者:秋葉海人、後藤大輝、近藤碧
◆日本 2 対 0 メキシコ
得点者:秋葉海人(2)
【ノックアウト ステージ】
◆日本 1 対 3 タンザニア
得点者:エンヒッキ 松茂良ジアス
【順位決定戦】
◆日本 4 対 3 アメリカ
得点者:秋葉海人、エンヒッキ 松茂良ジアス(2)、後藤大輝
◆日本 0 対 2 イングランド
 得点者:なし
◆日本 3 対 1 コロンビア
得点者:後藤大輝、エンヒッキ 松茂良ジアス、秋葉海人
<大会最終順位>
日本 11位(アジア勢2位)
1位:トルコ、2位アンゴラ、3位ウズベキスタン

[監督総括  日本代表監督 前鼻啓史]
 熱気と熱狂に包まれたアンプティサッカーワールドカップ2022トルコ大会(WAFF WORLD CUP 2022 TURKEY)は、イスタンブールで9月30日から10月9日の10日間にわたって開催されました。東アジア王者として臨んだ日本代表チームはグループステージでドイツ(3-0)、コロンビア(3-1)、メキシコ(2-0)と対戦し全勝しましたが、決勝トーナメントの1回戦でタンザニア(1-3)に敗れ順位トーナメントに臨み、最終成績11位で大会を終えました。優勝は開催国のトルコ、準優勝はアンゴラとなりました。日本の大会通算成績はグループステージと順位トーナメントを含めて5勝2敗、16得点10失点でした。アジア代表チーム5カ国の最終順位にみた大陸内順位では、1位ウズベキスタン(大会順位3位)、2位日本(大会順位11位)、3位イラン(大会順位14位)、4位イラク(大会順位19位)、5位インドネシア(大会順位22位)でした。大陸別の出場国数の異なりを仮定値に置き換え(母数を均等配置)最終順位にみた、大陸別競技成績では1位アフリカ、2位北中米、3位南米、4位アジア、5位ヨーロッパでした。
 今年度の中期には再度、新型コロナウイルスの全国的な感染急拡大を受け、不安定かつ不確実の中で代表選手やスタッフを招集し、茨城県神栖市にて3回に及ぶ国内キャンプを実施し、本大会に向けたチームづくりを行い本大会に臨みました。コロナ禍のため思い描くチーム活動が十分に出来ない中で、快く選手の遠征参加をお認め頂けました協会加盟各チーム関係者の皆さま、家計急変等様々なご苦労があった中で快く大切な家族を送り出して頂いた選手・スタッフのご家族の皆さまへ改めて御礼を申し上げます。
 本大会はこれまでのW杯と比較し大会参加費が増額となったものの、①主要空港、駅、スポーツ施設で本大会の大々的な広告掲示とともに大会公式ウェブサイトが常設されていること、②レギュラーサッカーが使用しているメジャー施設や複数スタジアムで大会が行われたこと、③移動手段は専用大型車を用いイスタンブールの公安組織の交通整理・誘導のもとストレスのない宿舎・試合会場間の移動が行われたこと、④YouTubeを活用した全80試合のライブ配信、ホストチームの全試合が国営放送にて行われていたことなど、現地の大会実行委員会の指揮によりトルコサッカー協会、トルコパラスポーツ協会との連携、そして決勝戦には大統領をはじめ政府の閣僚多数が観戦に訪れるなど、国が全面的なサポートをしており、名実ともにアンプティサッカーシーンにおいては過去に類を見ないワールドカップでした。上記の一部を日本国内のシーズに置き換えるならば、福島Jビレッジでグループステージの試合を行い、日本代表チームの試合、準決勝、決勝は、クラブチームが保有する陸上トラックが無く3万人以上の動員が可能なサッカー専用スタジアム(例:県立カシマサッカースタジアム、豊田スタジアム、パナソニックスタジアム吹田)で多くの観客動員がある中で試合が行われ、日本代表チームの試合はすべてNHKで放送がリアルタイムで行われているとイメージ頂ければ大会の全貌が見えてくるのではないかと思います。
 現地、競技シーンにおける端的な感想としては、700名の競技人口と3リーグ制(1部リーグのみプロリーグ化)を有する、トルコ代表チームの競技力が突出していること、アフリカ勢のアンプティサッカーにかける国をあげた熱量(勝利に応じた報酬有)をはじめ、競技力は現場でも記録でみても他の大陸勢よりも頭抜けしていることの2点に集約できます。また競技推進システムとしては、ワールドカップで歴代最多の優勝をはじめ上位記録を有するウズベキスタンは、競技人口70名未満ながらクラブチーム制度を持たず、連盟が一括集約により3ヶ月に1度のペースで強化活動を行なっているなど、本邦でも参考となる事例を収集することができました。
 日本代表チームは上位進出も可能な競技力が窺えたものの、前回のワールドカップである2018年メキシコ大会より1つ順位を下げ11位となった責任の一切の所在は監督にあり、選手はじめスタッフは最高の状態で大会に臨み・挑み続けてくれました。本大会に出場した多くの国々の代表者から選手とチームのレベルアップを賞賛する言葉を数多く頂戴しました。初出場となった若手選手らの台頭も目覚しく、本大会を契機に日本代表チームのさらなる覚醒に多くの方々からも期待が寄せられています。
ただし世界の潮流に肖って、強化の部分のみを肥大化させてしまうと、この競技の入り口でもあるリハビリ層やレクリエーション層のニーズへの対応が疎かになり、長い目でみた時に結果として、次世代を育て続けることができなくなってしまうことにもなりかねません。日本アンプティサッカーの普及・発展のさせ方には、特定活動の域であることに留意し、段階を経ていく必要があります。事実、足元をみてみれば根源的なところから逞しくしていかなければならないことも依然として多くあります。トルコ現地ではコンディショニング一環として各種計測を毎日実施していましたが、遠征期間が経つにつれ体重減少や偏食が目立ちました。海外遠征へ慣れることも重要ですが、栄養下が低い且つカロリーが高い間食を控え、宗教や信条に関わることは別として、単純に食べ物の好き嫌いをなくし、提供された食べ物をしっかり食べることなど、まだまだ日常そのものの習慣や様式を変えていく必要がある段階です。家庭でもチームでも優しさからの配慮が見方を変えると甘やかしと捉えられる部分は速やかに改めていく必要があります。
 最後に、本大会は日本代表戦のみならず、たくさんの方にアンプティサッカーの試合をご観戦頂き、この競技の魅力が多くの方々に届いたことを非常に喜ばしく思っています。アンプティサッカーの世界をさらに拡張していけるよう、次の新たな挑戦を見据えた強化活動全般に伴う組織体制の刷新に尽力して参ります。

最新の投稿

カテゴリー

アーカイブ

MOVIE動画

JAFAパートナー

※順不同

JAFA / JIFFパートナー

※順不同

ドリンクサプライヤー