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【スペシャル対談】エンヒッキ・松茂良・ジアス × セルジオ越後

アンプティサッカーから夢をもらい、その夢を追って生きている

アンプティサッカー日本代表のエンヒッキ・松茂良・ジアス(通称 ヒッキ)選手と、日本アンプティサッカー協会最高顧問を務めるセルジオ越後が語る、アンプティサッカーの魅力、そして今後の夢とは!?

アンプティサッカーの魅力はどういったところでしょうか

ヒッキ「やっぱり一番は、楽しいことですね。練習するたびに少しずつ上手くなりますし、 上手くなると楽しい。やらなければいけない、ではなくて、純粋に楽しいからやっています。」 セルジオ「普通のサッカーと同じだよね。仲間たちと一緒にサッカーすれば楽しいし、上 手くなったらもっと楽しくなる。全く同じことじゃないかな。あと、アンプティサッカー やっている人を見ると、みんな堂々としているのね。もしやっていなかったら、もしかし たら人前に出るとき無くした手を隠すとか、そんなことがあるかもしれないけど、選手た ちを見ていると本当に堂々としている。スポーツってそういうことを忘れさせることがで きるよね。そして何より、見ている人たちも感動するよね。あそこまで出来るようになる には、ものすごく努力したんだろうって分かるから。」 ヒッキ「そうですね。アンプティサッカーを始めて、僕も頑張るようになりました。13 歳 のときに初めて大会に出たのですが、そのときに新人賞をもらって、当時のブラジル代表 のエースが『あなたは頑張ったら絶対ブラジル代表になれるよ』って声かけてくれたんで す。そのとき『いつかブラジル代表になる』という夢が出来ましたから、それからはすご く練習を頑張るようになりました。18 歳のとき、初めてブラジル代表になれたときは、本 当に心臓が止まりそうで、1つの夢が叶った瞬間でした。」 セルジオ「障がいの有り無し関係なくて、ブラジルの子供たちはみんな、ブラジル代表に なりたいという夢をもって、それでボール蹴っているからね。」

日本のアンプティサッカーは、どのように広まっていったのでしょうか

ヒッキ「2008 年に仕事の関係で、初めて日本に来ました。当時はアンプティサッカーが日 本ではおこなわれていなくて、すごく残念だったのを覚えています。でも、サッカーは絶 対やり続けたいって思っていました。だから、誘っていただいた施設で知的障がいをもっ た子供たちに交じってプレーしたり、友人に作ってもらったプレー動画を使って紹介した り、義足を作る会社に行ってリフティング見せたりと、いろいろな活動をしてきました。 その甲斐あって、少しずつ仲間を増やすことができて、2010 年 4 月、日本に来て初めてア ンプティサッカーの練習をすることができました。」 セルジオ「何かをスタートするとき、必ず1人、最高の人がいると思うのね。J リーグには ジーコがいたように。最高のプレーを目の前で見ると、ものすごくうまいから、みんなび っくりする。ものすごいインパクトがあったと思うよ。ヒッキがもし日本に来ていなかっ たら、誰も見たことないし、やったことも知識もないから、始まらなかったんじゃないかな。」 ヒッキ「でも、僕が特別に何かをやったわけではなくて、ただ純粋に、仲間たちと一緒に 楽しみたい、一緒にボールを蹴りましょう、という気持ちがあっただけなんです。周りの 人が、1人、また1人と声を掛けてくれて、少しずつ輪が大きくなっていきました。あと、 2010 年のワールドカップに出れたことも大きかったと思います。」 セルジオ「2016 年は流れてしまったけれど、やっぱりワールドカップという大会の存在は 大きいと思うよ。怪我をして夢が砕かれた人にとってみれば、アンプティサッカーを知っ たことでもう1度ワールドカップを、夢を目指せるんだ、と思えることは非常に大きいこ とだよ。夢があるから、選手も増えるし、みんなトレーニングも一生懸命する。普及にす ごく手伝っているって思うよ。」 ヒッキ「2010 年ワールドカップは、手を挙げた人が全員出場できたのですが、2012 年と 2014 年は、出たい選手の人数が増えて選考会が必要になりました。だから、選ばれること の価値も高くなって、みんなもっともっと頑張るようになりました。見ている子どもたち も、『この人たちすごいね』『自分も同じようになりたい』って感じてくれています。選手 が増えれば増えるほど、日本が強くなっていくと感じています。」 セルジオ「あとは、たとえば北海道に転勤になった人がそこでチームを作ろうとしても、 簡単には人数が集まらないじゃない。でも、今なら千葉と連携してチームを作って大会に 出るとか、そんなコラボがすごくあって。勝ち負けだけじゃなくて、仲間を増やして、一 緒にサッカーをして楽しむ。そんな社会貢献的な側面も、意図的じゃなくて、自動的に出来てきている部分がアンプティサッカーにはあるんじゃないかなって思うよ。」

今もっている「夢」や「目標」について教えていただけますか

ヒッキ「僕はいつも、『やればできる』って思っています。もちろん、ただ言うだけじゃな くて、どれだけ見せられるかだと思います。無回転シュートを打ったり、ボールを首に乗 せたりなんて、両足があってもできない人が多いけど、僕は片足でもやりたい。『やればで きる』ことをもっとみんなに伝えていきたいです。そして、頑張り続けて、いつか世界大 会で優勝したいと思っています。それが今の夢です。」 セルジオ「日本の社会は、すごく過保護で、責任問題とかもあって、もったいない感じが するの。ブラジルでは健常者も障がい者もないんだよね。だから可哀想って誰も言わない し、全く同じレベルで扱う。日本も同じようになっていけばって思うから、アンプティサ ッカーをもっと広めて、競技人口を増やしたい。そのためにも、日本で国際試合、特にワ ールドカップなんかの大きな大会を開くことができればと考えているのね。大きな目標が あるから、選手たちは頑張ることができるし、その姿を見るから社会も理解していく。こ れを実現していきたいと思っている。」

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